ばち指(ばち状指)とは
つめは、人間の体の健康状態を表すものとして知られています。
爪がきれいな色をして凹凸などがない人は健康な状態を維持できていることがわかりますが、そうではなく形が変形している場合や白い線などが入っている場合には身体のどこかが悪い可能性があります。爪が変形する症状の一つとしてばち状指といわれる症状もあります。
これは太鼓などを叩くときのばちのように先端部分がまるくふくらんでいることからこのような病名がつけられました。実際に自分の指がそのようになると、心配で眠れなくなるかもしれませんが、いったいどのような原因でばち状指になるかを知っておくと対策を立てることができます。これは、指そのものをぶつけた場合とは異なり、体の内部に何か問題が発生していることを意味しています。痛みが伴わないため、そのままにしておいても指自体にはそれほど問題が出るわけではありません。
たいていの場合は、ほかの症状とともに現れますが明確な原因はよくわかっていないところです。ただ間違いないのは、体のどこかに異常がある場合ですが、肺や心臓をあるいは消化器に異常が発生している場合にはこのような症状になることが考えられます。
もちろん、絶対に身体のどこかに悪い症状があるとは限りませんが可能性としては考えられる疾患としては次のものがあります。
- 肺疾患
- 肺がん
- 心臓疾患
- 消化器疾患
- 内分泌疾患
ばち指と身体の病気
もし、呼吸困難になったり血痰が出たり胸が痛くなった場合には肺がんを疑ってみましょう。
それ以外でも、食事の見込みが悪くなったり声がかれたりする場合には肺がんの可能性があります。
もちろん、風邪をひいているだけのこともありますので、あまり素人が決めつけて落ち込むようなことはありません。
初期の症状ならば、命にかかわることなく完治することも可能になりますが、この状態が続いて放置しておくとがんが広がっていくため、治らないところまできてしまうことも珍しくありません。
そのため、胸に何か違和感を感じた場合はすぐに病院に行き原因を明確にしましょう。早いうちに治せる可能性があるものならば、早いうちに治した方がよいです。肺の病気に関しては肺炎の可能性も考えられます。
肺炎の状態が悪くなると、酸素と二酸化炭素の交換が行えなくなり呼吸困難になる可能性が出てきます。命にかかわる可能性は健康な若年者であれば比較的少ないですが、それでも時間が経過してしまうと命にかかわることもあるでしょう。それ以外では、高熱や悪寒が発生した場合には肺膿瘍と呼ばれる肺の空洞に膿がたまる病気の可能性があります。この病気になりやすい人はお酒をよく飲む人や糖尿病を患っている人、そして免疫力が低下している人がなりやすいです。
裏を返せば、お酒を控えめにすることで少しでもこの病気を防ぐことができるようになります。
もちろん、普段から過剰に糖質をとらないことも重要になってくるでしょう。
とくに炭水化物を多く取り過ぎたり甘いものを食べすぎたりして血糖値が上昇するようなことが続くと、糖尿病になりやすいです。
ほどよく食事をとることと毎日30分以上運動をすることが健康の秘けつになります。
心疾患のことも考えられますが、先天性心疾患の場合には防ぎようがありませんが、少しでも弱めることはできそうです。
■先生からのPOINT■
肺疾患にかかわることだけではないですが、アルコールの飲みすぎや糖質の摂りすぎなどの悪い生活習慣は、万病のもと。
免疫力の低下を引き起こし、肺膿瘍だけではなくさまざまな疾患の原因になります。適切な運動習慣と規則正しい健康的な食事こそが、健康でい続ける秘訣になります。
心疾患によってばち指が起こっている場合もあります。
先天性の場合は主治医と相談の上、適切な治療を行うことで自覚症状の出現を弱めることができます。
それ以外には、肝硬変になっていることも考えられますので、注意が必要です。
肝硬変の原因は、ウイルス感染のほかアルコールの飲みすぎが原因のこともあります。
肝硬変はほとんど自覚症状がなく、健康診断などで発見されるまで気づかなかったというケースが多いです。
むくみや倦怠感などの自覚症状が出てくることもありますが、肝疾患が原因だと思わず病院を受診しないままでいるという人も多いです。
ばち指だけではなく、何か心当たりのある自覚症状を感じたら、すぐに病院に行って画像検査を受けて、肝疾患だけではなく、ほかの疾患はないかを調べて、疾患があった場合にはきちんと治療を受ける必要があります。