爪囲炎(そういえん)とは
爪囲炎(そういえん)とは何かについてまとめてみましたのでお伝えしたいと思います。
体の先端で常に露出している上に物に直接的に触れる機会も多い特性上、爪の周辺というのは乾燥状態に陥りやすく傷やささくれが引き起こされやすい部位です。
そのため、爪の周囲というのは常に生じた傷口から細菌が侵入し炎症を発症させたり痛みを引き起こすリスクに晒されており、実際に細菌が入り込んでしまい感染症に見舞われた状態の皮膚トラブルの事を呼びます。
ただし、人体も全くの無防備で存在しているというわけではなく、本来は感染症に見舞われないように角質層に皮脂と水分を溜め込む事により、外部から侵入しようとする細菌や絶えず受ける刺激から守ろうとしています。
そのため、ダメージを受けていない状態であればとても強い保護能力を有しているのですが、たとえ小さなものであっても傷が生じてしまうと一気に保護機能が損なわれてしまい、細菌の侵入を許す事になり炎症を発症させます。
引き起こす起因になる細菌の種類は一種類に限らず複数の種類に分かれているのですが、比較的症例が多いのは黄色ブドウ球菌や大腸菌などであり、他にもカビの一つであるカンジダもあります。
こうしたトラブルは高い頻度で見舞われる患者と、人生の中で一度も発症した事が無い方に二分されるのも特徴的な様子なのですが、治癒と再発を繰り返してしまう方に共通しているのは生活習慣が乱れていたり、基礎疾患が悪影響をもたらしているというものです。
人体は不規則な生活や食生活をしたまま過ごし続けると、体のあらゆる組織を生成し維持する事が難しくなってしまい、正しく行われなくなる事の中には皮膚組織の生成や維持もあります。
皮膚組織が正しく生成され維持されなくなるという事は、肌細胞が保有しておくべき水分と皮脂がキープし続けられなくなるという事なので乾燥状態が慢性化し、乾燥するからこそ些細な摩擦などで傷が付いてしまいます。
つまり、生活習慣が乱れる事により起こりやすい状態になってしまうため、一度治癒させたものの肌状態が劣悪化している事により再び発症し痛みなどに悩まされるという仕組みになります。
また、生活習慣や食生活には問題無く健やかな生活を営む事ができていても繰り返し発症する方も少なくないのですが、健康なのに慢性化してしまう方は、水仕事をする人に多いです。水仕事をすることで手の皮膚のバリア機能が失われてしまうからです
生活習慣や水仕事に従事する機会が多いという後天的な原因の他に先天的な原因もあり、先天的な事例では巻き爪などがあります。
指の皮膚の一部に食い込んでしまった状態で伸びていく症状の事を指しますが、先端が鋭利になっているのにも関わらず巻き込んだまま伸びていくので皮膚に穴が空いてしまい、空いた穴から細菌が侵入し炎症に繋がるという仕組みです。
発症後の初期段階は他の指に比べ若干赤みが強く見受けられ、圧迫すると少し痛みが感じる程度なのですが、時間の経過と共に赤みと痛みが強まっていく上に大きく腫れ上がっていきます。
刺激を加えていない状態でも強い痛みに見舞われてしまい、その後患部が化膿していく様子が見受けられ、色味についても赤色から紫色に変色し膿が出ます。
発症後に自然治癒を目指すのは困難なので、できるだけ早いタイミングで皮膚科を受診する事が重要となり、そのまま放置してしまう行為はご法度です。
皮膚科を受診すると適切な処置が行われますが、軽度な事例では爪を清潔を徹底して保つように心がけ、乾燥状態を引き起こさないように保湿に注力するよう伝えられます。
一方、既に変色していたり膿が出ているような重症化が確認できる場合は、抗生物質を用いたり痛みを抑制すべく痛み止めが処方され、爪の周辺の膿を除去する措置も講じられます。
